●再度の店仕舞い

2021年02月12日
  • 「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。[...中略...] ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。」                                                                                                                     夏目漱石「草枕」


2016年4月から、「In A Lonely Place」と名付けてブログを始めて、約1年半。2018年の11月からは、「On Dangerous Ground」と名前を改めてブログを再開し、さらに2年余りにわたってこつこつブログを続けてきたものの、そろそろやはり退け時かと思い、近いうちにここをたたんで再度引き払うことにしました(いつとはまだはっきり決めてませんが、たぶん今月か来月末あたり)。

いちおう備忘録代わりに、これまで当ブログであれこれ書き綴ってきた記事のタイトルと日付を、ざっとリスト化したので、別ログでアップしておきます。

それらの記事は当面、封印する代わり、以前に筆者が書いて、今なおネットで参照可能な拙文を、以下にざっとリストアップしてリンクを張ったので、興味のある方は、お暇な時に適当にのぞいてみて下さい。


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ちなみに、このブログという場で、自分の好みの関心事ばかりを長年、自由気ままに書き散らしてきた、と思われてしまっては心外なので、いちおうここで、そうした誤解を避けるために手短に言い添えておくと...

はじめから、これこれについて、とお題を与えられた文章を、しかるべく割り当てられた枠と字数の中で安心して書くのと、毎回その都度、あれこれ周囲の状況に独自のアンテナを張り巡らし、文脈の土台作りからテーマや内容についても、すべて一から自分でそれなりに考えて準備した上で、懸命に手探りしながら文章を書くのは、まったくの別もの。

折しも、今回のブログを続けている最中に、思いも寄らぬ新型コロナウィルス騒動が始まり、一時は日本のすべての映画館が休館するという前代未聞の非常事態まで起きる中、当ブログの拙文の性格もおのずと変化せざるを得なくなり、何がしかの映画の作品内容に絞った紹介記事を書くことより、もう少し視野を広げて、映画文化そのものを取り巻く切迫した情勢の変化を見据えた時事的な色合いを深めるようになっていったが、それはそれで多少は面白くて興味深いドキュメントになったのでは、と、今振り返ってみて自分で思う。

コロナ禍が長引いて、現在もなお、日本のみならず世界中の人々が、仕事から日常のさまざまな事柄に至るまで不自由な生活を強いられる中、映画ファンの誰しもが、果たして今、何をどういった形で見るのか見ないのか、自分にとっての映画とは一体何なのかと、改めて自身の胸に問い直したのではないだろうか。周囲の状況や自分の拠って立つ基盤を見返すこともなく、従来通り、安閑と映画を見たり書いたりすることは、今日やはりなかなか難しい。こちらも次第に息切れするようになる中、どうにか綱渡りでブログを続けてきたものの、やはりそろそろ限界に近付いてきた感じ。またもやの自分のミスも、天から強制終了の声がかかったものとあっさり受け止め、しばらくまた休んで出直すことにしました。

しかし、今さら味方の援護射撃などはもとより期待していなかったものの、こちらを背後から狙い撃ちする卑劣な人間が相次いだのには、『攻撃』(1955 ロバート・アルドリッチ)のジャック・パランスや『戦争のはらわた』(1977 サム・ペキンパー)のジェームズ・コバーンではないが、ホントはらわたが煮えくり返る思いで、うんざりげんなり。心身共にすっかりくたびれ果てました。「孤独な場所で」、そして「危険な場所で」を引き払って、果たしてこの先、自分にどこか居場所など残されているのだろうか...。心はいつも上天気でありたいと願っているものの、こちらの孤独と憂愁の色はいよいよ深まるばかり。フーム、やれやれ。

...と、ここまで書いてきたところで、ふと思い出し、過去のブログ記事の中から最後にもうひとつ、松浦寿輝氏の長編小説「名誉と恍惚」の紹介記事を復元して、別ログでアップすることにしたので、長文ではありますがどうかぜひ、おしまいまで目をお通しください。

そして、これまた最後にもう一曲、筆者の長年のお気に入りバンド、トーキング・ヘッズの名曲「Road to Nowhere」をかけて、ひとまずのお別れとしたいと思います。

https://bit.ly/3aEX6LA

これまでこちらにお付き合いくださった読者の皆さん、長い間、どうもありがとうございました。