●ゴダール アラカルト

2020年08月15日

映画本「フィルムメーカーズ」シリーズの最新号、佐々木敦氏責任編集による「㉑ジャン=リュック・ゴダール」に、筆者も幾多の執筆者たちに交って参加し、『勝手にしやがれ』(1959)に先立つゴダールの最初期の短編5本についての文章を書きました。「すこぶる批評的な、唯一無二のゴダール論集」と氏も太鼓判を押しているので、どうかぜひ同書を手に取ってご一読ください。

https://bit.ly/2Y0elBe


ここで今さら改めて言うまでもなく、ゴダールとは、映画そのものを体現する唯一無二の怪物であり、彼について考えることと、映画について考えることが、即イコールで結ばれるような中枢・象徴的存在。従って筆者も、映画についてあれこれ考える時は、たえずゴダールが何より一番の参照軸にして指針であり続けている。そんなわけで、筆者がゴダールについて大なり小なり触れている文章はこれまでにも結構あるはずだが、とりあえず以下の4点をここに改めて紹介しておきます。今回の文章と併せてお読みいただけると幸いです。

https://bit.ly/3iLZa6X

https://bit.ly/2FlCD29

https://bit.ly/30VmNUi

https://bit.ly/2E1o3wm


ちなみに、最初の『彼女について私が知っている二、三の事柄』(1966)の拙文に付された同作の場面写真は、僕が選んだものではありません。おそらく選定者が、後景に写っている男性をゴダールと勘違いしたのではないか、と推定されるものの、この男性はゴダールではなく、本来は映画製作者・監督であるラウール・レヴィ。右手前にいる女性も、主演女優のマリナ・ヴラディではなく、助演のアニー・デュプレーです(苦笑)。

それから、この際ついでに、『ゴダールのリア王』(1987)の劇場公開の際に書いた拙文も、ここに蔵出しすることにします。ゴダール好みの駄洒落をそのまま上手く活用して、狭い文字枠の中でしっかりよく書けたと、自分でもそれなりに気に入っている短文なので、どうかご笑覧ください。


*************************************


『ゴダールのリア王』(蔵出し原稿)


1980年代から現在へと至るゴダールの映画探究の歩みを見極める上で非常に重要な、1987年製作の傑作。既にビデオでリリースされているものの、劇場ではこれが待望の初公開。その圧倒的にCLEARなドルビー・サウンドを耳=EARでよく聴き=HEAR、シェイクスピア=SHAKESPEAR の周知の物語をいったん清算=CLEARし、無に帰した後で再び語り直していくゴダールの"映画の再創造"の奇蹟を、じっくりとよく学ぶ=LEARNべし!

[初出:雑誌「Gainer」1998年9月号」Cinema Selection(光文社)]