映画ファンの方なら既に御存知の通り、昨日の2017年8月21日、往年の人気喜劇俳優にして映画作家、脚本家、プロデューサー、等々、いや彼自身の著書の題名をここで借りるなら、"The Total Film-Maker"たるジェリー・ルイスの訃報が日本でも伝えられた。享年91。

周知の通り、ジェリー・ルイスの作品には、ディーン・マーティンとコンビを組んでいた時期から、コンビを解消してソロとなり、自ら製作や監督業にも乗り出していった後に至るまで、一貫して邦題に『底抜け』という文字が冠せられている。さらにまた、ここにそうしたルイスの出演作のタイトルを幾つか並べてみると、ある種の傾向が見られることに気づく。『~右向け!左』(1950)、『~やぶれかぶれ』(1953)、『~ふんだりけったり』(1953)、『~コンビのるかそるか』(1956)、『~慰問屋行ったり来たり』(1958)、『~てんやわんや』(1960)、等々......。すなわち、二種類の項目がそこでは並置されているのである。

●2020 新年の挨拶

2020年01月05日

この場を借りて、今年の年賀状を皆さんにもお届けしたいと思います。

* デニス・ホッパー監督・主演の"呪われた映画"『ラストムービー』(1971)が、デジタル・リストア化されて、約半世紀ぶりに美しい映像と共に甦り、日本では、1988年の劇場初公開以来、31年ぶりとなるリヴァイヴァル上映が、既に先週末から始まっている。

先に紹介した圧巻の大著「映画監督 神代辰巳」をどうにか無事ひと通り読み終え、それと並行して、ついあれこれ見直していた神代映画の個人的な復習も、これ以上だらだら続けていてはマズイと、師走に入ったのを潮時にようやく切り上げる決心がついたものの、一難去ってまた一難。やっと神代の女地獄から抜け出したかと思ったら、今度はまた別の女地獄がすぐそこに待ち構えていたのであった...。

長編小説第3作の「黒い時計の旅」が彼の作品の日本初上陸という形で1990年に邦訳されてすぐさまそれを買い求め、噂にたがわぬその自由奔放な幻視的想像力と鮮烈な文体にすっかり圧倒されて以来、スティーヴ・エリクソンは、筆者にとって現代アメリカ文学の最も好きな愛読作家のひとり。以後も、訳書が刊行される度に購読し、そのユニークで強烈なエリクソン・ワールドに大いに魅了されてきた。昨秋、最新長編小説の「きみを夢みて」がいきなり文庫で初訳刊行されたのも嬉しい驚きだったが、今回ここに紹介する長編小説第8作の「ゼロヴィル」も、2008年の夏に発売された柴田元幸氏責任編集による文芸誌「モンキービジネス」第2号の中に、その原形となる同名短編が載っているのを貪るようにして読み、めくるめくような刺激と興奮を覚えて...